留学研究助成者からの便り

平成17年度 留学研究助成事業 助成者

Pawasoot Supasai, M.D., MHPE

Clinical Teaching Staff at Glaucoma Unit

KKU Eye Center Faculty of Medicine

Khon Kaen University THAILAND 


 日本失明予防協会のメンバーの皆様へ 

私は、タイのコン・ケン市のコン・ケン医科大学に勤務する主に緑内障を専門とする眼科医のPawasoot Supasaiと申します。

2005年(平成17年度)に順天堂大学付属病院に留学する際、(公財)日本失明予防協会が実施している

留学研究助成事業からの助成金を戴くことができました。


今回、私のタイにおける医療活動の現状について、その一端をご紹介させて頂きます。

私が日本滞在中に注目していたことは、医療従事者の皆様が、いつも緑内障や眼病治療対策に常に一眼となって

積極的に取り組まれていることでした。


タイに帰国したのち、私はコン・ケン医科大学のSrinagarind病院の臨床スタッフとして、年齢を問わず緑内障に

日々苦しむ患者の方々に最新の緑内障治療を施すと共に、若手眼科医師に対しては院内研修や臨床教育の学科課程を

通じて、緑内障に関する最新の知識や治療技術の指導を行っております。

 更に、一般公衆を対象にした眼科医療活動を広く開始し、そこでは社会・経済的格差から影響を受ける恵まれない

境遇にある貧困層の人々にも緑内障検診が身近なものであることを知らせなければならないことを痛感し、

現在、その方面にも力を注いでおります。

地域医療活動を通じて実感したことは、社会・経済的格差の存在が、多くの人々の公衆衛生面や治療のあり方に

差別的な扱いを与えることがあってはならないということでした。

私は、視覚障害を減らすためには地域における偏見を排除し、一般的な眼科検診を普及させることが重要であると

考えております。

私は、2006年から失明予防のためのInterCountry Workshopに参加しております。

日本失明予防協会が、ご支援されているこの注目すべきWorkshopは、一部の地域のみならず、

全世界から眼病撲滅に熱意を燃やす眼科医のリーダーたちが一同に集い、そして議論を交わす貴重な場であると

考えております。

COVID-19が収束した際には、この国際Workshopが継続して開催されていくことを心から念願すると共に、

私のコン・ケンにおける医療の諸活動に引き続きのご支援を賜わりますようお願い申し上げます。

   (原文を基に事務局が和文で作成したものです。)